2005年08月04日

「洒脱」



「洒脱」…俗気がなく、さっぱりとしていること。あかぬけているさま。



この言葉を知ったとき、まさしくこれはJ・J氏、植草甚一のことをいっているのだと思いました。

はじめて彼を知ったのは、「いつも夢中になったり飽きてしまったり」という番町書房からでていた本。(現在入手困難)

jj




何かの雑誌でこの本の存在を知り、タイトルと表紙に写るJ・J氏の姿に、中身も読んでいないのに、わたしのハートは打ち抜かれました。
すぐさま書店に買いに行ったのですが、もちろん売っているわけはなく、でもそうとは知らないわたしは何軒も本屋さんを巡り、大型書店にたどり着いて売っていないことを確認したときに初めて「これはおかしい」と。

調べてみると、もちろん絶版…。

それからは古本屋で探す日々。一度だけ4000円で見つけたのですが、そのときちょうどお金がなく(4000円も持ってないのも問題ですが)、後日行くともうありませんでした。

それが、初めての古本を巡る悔やしい思い出です。


最初に読んだのは、「コラージュ日記」NY編。

亡くなる5年前、66歳で初めてニューヨークに渡ったときのNYでの興奮と感動が、彼の文字のまま、もちろんコラージュ満載でつづられています。

彼の文体は、話しているときのままだと生前を知る方はよく書いていますが、文章を読んでいると、イスに深く腰掛けて大好きなコーヒーを飲みながら、ゆっくりと優しい顔で話しかけらているような気がします。
そしてまたコラージュをしているときは真剣で、ひとり楽しみながら、話しかけてもたまに思い出したようにすっとんきょうな相槌を打つんじゃないかと勝手な想像が広がります。

66歳で初めてNYに行った彼は、行かずともNYの本屋さんの位置は把握していたとか。

そんな彼の一日のスケジュールは、朝起きて行きつけのコーヒーハウスで朝食をとり、本屋を巡る。途中で本を置きにホテルに戻ってまた本屋に戻る。どっちに戻っているのか分からなくなる生活。で、日記をつけ、買った本のリストを作り、コラージュをして遊ぶ。遊びの天才です。

NYで大柄の二人組みの強盗にあったときも、おとなしくお金はだしますが、強盗が逃げていくときに、帰りのバス代はよこせ!とどなったとか。強盗は小銭を投げていったみたいです(笑)
初めての海外で、強盗。抵抗するわけでもなく、動じるわけでもなく、郷に入った切り返しかた。そんなところにまた「洒脱」を感じてしまうのです。

わたしが生まれた1979年に他界されたJ・J氏。わたしとJ・J氏は、残念ながら同じ空気を吸っていませんが、彼が亡くなった年にわたしが生まれた、そう思うとなにかどこかで繋がっているような気がしてならないのです。



「植草甚一スタイル」
平凡社(2005/05) 1680円
40歳で退社し、71歳で亡くなるまで、散歩とジャズと読書に明け暮れ、軽妙なエッセイを執筆。70年代の若者に圧倒的支持を得た、その自由で気ままな生き方は、今でも超カッコイイ。雑誌「太陽」の植草甚一特集号の復刊版。
片岡義男 川本三郎 高平哲郎ほか=著



「J・J氏のディスコグラフィー」スクラップブック(36)
晶文社(2005/06)
こんなJAZZのレコードを聴きなおしてみないかい? モダン・ジャズ入門から新作レコード評まで──ある日ジャズにとりつかれ、またたくまにスーパー・クリティックに変身したJ・J氏が、膨大なコレクションから精選して語りかける、モダン・ジャズへの道案内。
植草甚一スクラップ・ブック 全40巻[別巻1]完全復刊→詳細



「東京」サニーディ・サービス

このアルバムの10曲目に、「いろんなことに夢中になったり飽きたり」という曲があります。
きっとこれは、J・J氏の本からとったタイトルなんだろうなぁと思いながら聴いています。
いい曲です。
曽我部の詩はサイコウです。



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posted by maa at 02:39 | Comment(0) | TrackBack(1) | なにげない辞書
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植草甚一
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Weblog: 消費生活・その2
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